百舌谷さん逆上する / 篠房 六郎
連載誌:月刊アフタヌーン
出版社:講談社 巻数:既刊3巻 (連載中)≪“ツンデレ”は病気なんです!≫ツンデレ漫画。・・・いや、もうこれ以外に例えようがありません、本当に。
皆さんは
“ツンデレ”というのをご存知でしょうか?
まずはこれがわかっていないとこの漫画をいきなり読んだら、
「?」となるかもしれません。
“ツンデレ”は元々明確な定義がないので、
これだ!と説明できるものはないのですが、あえて説明するとすれば、
“好きだったり、気になったりするくせに、素直になれずに、素っ気無い態度をとる”といった感じでしょうか?
ツンデレ - アンサイクロペディアの「ツンデレのタイプ」の項目で、
様々なタイプの
“ツンデレ”とキャラクターが紹介されていますので、
それを見てもらえればよくわかると思います。
あの『ドラゴンボール』のベジータも
“ツンデレ”なのだから面白い(笑)。
しかし、この漫画での
“ツンデレ”とは、上で紹介されているような、
いわゆる世間で知られている「属性(キャラクターの性格・特徴)」のことではなく、
「病気」の一種なんです。
病気の正式名称は
「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」。
自分の好意を攻撃的な言動や行動で相手に返してしまうのです。
その
“ツンデレ”の病気の患者である
百舌谷さんがこの漫画の主人公です。
とにかく
百舌谷さんの罵詈雑言、暴力がすごい。
ツンのレベルが凄すぎます(笑)。
なんせ
百舌谷さんに好かれてしまった
竜田君は、
○○送りですから(笑)。
いや、実際あんなことになったら、笑い事で済みませんけど…(汗)。
やはり何と言っても、
この漫画を面白くさせているのは、
樺島君の存在でしょうか?
百舌谷さんとあることがきっかけで、関わることになってしまった彼なのですが、
常に
百舌谷さんに罵詈雑言や暴力を浴びせられながらもサポートするわけですが、
徐々に変な方向へと目覚めていきます…まぁ、しかたないか(笑)。
基本はこの漫画は「ギャグ漫画」ですが、
とこどころあるシリアスな描写での
百舌谷さんに台詞にグッとくるものがあります。
ものすごい気持ちわかりますし、考えさせられます。
最近は安易なツンデレキャラクターを出す、中身の無い薄っぺらい作品が多いなか、
ここまで
“ツンデレ”を深く、独自の解釈で、
しかも面白く描ける人はなかなかいないのではないでしょうか?
ギャクでもシリアスでも描写が丁寧に描かれていますし…。
“ツンデレ”というテーマを抜きにしても、
最近見た漫画の中では非常に面白い、質の高い作品だと思います。
ちなみに
百舌谷さんは(
樺島君や
竜田君等も)小学生なわけですが、
拘○服とか、低○波○○器の衝撃波で○えるとか・・・、
色々な意味ですごいです、この漫画(笑)。
あ、そうそう、
“ツンデレ”の病気名、
「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」の名称を考えた人は、
SF作家の
伊藤計劃氏だそうです。
(残念ながら、2009年3月に肺ガンのため死去されました。)
どうやら作者の篠房六郎先生と伊藤計劃氏は大学での後輩と先輩の関係とか。
それにしても、篠房六郎先生は、女性なんでしょうか?それとも男性?
この作品では“一応”女性ということになっているようですが。
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